頂き物

時宮さんから

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 第一話『始まりのファンクション』

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 我が家のモーモー雑記っ。
 

我が家のモーモー雑記っ。

我が家のモーモー雑記っ。



『モーモー草原』
一人の縦ロールの髪型で色をエミルカラーミドルにした、ドミニオン族・レンジャーの少女は、
綺麗に青く生い茂ったモーモー草原で鼻歌交じりにアイテム収集をしていた。
「モーモー草原に、モーモーがのんびり♪。よっこ揺れしながら、ぽってぽって歩く♪。
 モーモー草原に、モーモーがのんびり♪。こっろんではねって、日向ぼっこだ♪。
 草木や、花は歌うよ、太陽も横揺れするよっ♪

 今日も~、天気だ~♪。日焼けをしない様に気をつけろっ♪。
 明日は~、天気~?。気にしないよう、楽しいモ~ォっ♪。」
‐スカッ、スカッ‐
レクルスゲッコの攻撃をひらりとかわし、止めを刺した瞬間に、ポロッと細長く筒状の物体が落っこちた。
「?、なんだろ、ユエにぃー。これなぁにー。」
やる気の無い声が、兄の耳に届く。それに呼応して、またやる気の無い声で答える。
「ん…、あ~…。【栄養ドリンク】じゃないか?」
「ふむふむ。で、面白いの?。」
「知らぬ。なんか知らんが、ファーイーストの北東にある動物小屋に居る爺さんが、探していた気がしたぞ。」
「よし、じゃ行ってくる!!。」
そそくさと少女は町へ掛けていった。

『動物小屋』
「おじぃーーさーーーーーーーーん!!。」
物凄い砂埃と耳に劈く大きな声で小屋に突入してきた。
「な、なんじゃ?。」
「これ上げる。」
まるで小学生がお菓子を大人にあげるような態度でムツ爺さんにアイテムを渡した。
「これで花子も元気になるわい。」
『モーッ』という泣き声がする方に顔を向ける。
「へっ?!。」
すっとんきょな声を出して少女の肩がカクッと落ちる。
「お、おお、おおおお、大きいぃ!!。」
目が点に成りつつ少女は大きなモーモーの目の前に立つ。
「可愛いぃ。」
「今子供が産まれる寸前じゃよ。見ていくかい?。」
「見る見る!。」
途端に花子は、力み始めた。
『モ、モォー…』
体が小刻みした次の瞬間だった。
‐スッポンッ、ゴロゴロゴロゴロ。モ~…‐
勢いよく出て前転しながら、小さなモーモーは目を回していた。
「か~わ~ぃ~い~。」
目を煌かせながら、少女はモーモーを抱きしめた。
「もらっていくかい?、まだこれからも産まれるじゃろうしな。」
「遠慮せず貰っていきますね。」
モーモーを抱えながら動物小屋を後にし、駆けて兄の元へ…。

『モーモー草原』
砂埃を立てながら少女は、ぴょんっと身軽な体を止めて兄の目の前に立つ。
「お兄ちゃんお兄ちゃん、ハイッ。」
元気よく目の前に差し出したのはモーモーだった。
「名前ー、決めて良いよっ」
「ん…、…。」
いきなりの事にしばし思考が止まる。
「下僕。」
「だめ、可哀想。」
「牛の下僕。」
「却下。」
「『可愛い下僕』」
「…。」
スラスラ、ペタッ。
「あー!!、いいって言ってないのに!!。」
‐モ~♪‐
モーモーの軽い泣き声が響く。
「モ~ちゃんがああ。ま、いっか。」
けろっとした態度で少女はモーモーを抱きかかえたまま、モーモー草原を駆け抜ける。
「ほら、モーちゃん。この子達は兄弟だよー。」
‐サクッ‐
マンゴーシュで少女はサクッとモーモーを叩く。
「ほらほらー、遊んでだってー。」
‐モォ?‐
下僕は首を傾げながら、つぶらな瞳でモーモーを見つめる。
‐サクサクッ‐
目の前に居たモーモーは背中からバタリと倒れていった。
‐モ~モ~(ペコペコ)‐
「ん~。よし、色々な所に連れて行かなくちゃ。」

『アクロニア東海岸』
キューと愛くるしい声を挙げながら、紫色の芋虫・エルダーワームがモーモーと戦っている。
‐サクッ、キュッ、サクッ、キュッ、モォー!‐
「モーちゃんがんばれー。」
横になりながら、少女は戦うモーモーを放置し不貞寝し始める。

数時間後…。
‐モフゥ~…‐
汗を掻きながら、擦り傷、切り傷を負い、その場にモーモーは腰を下ろし足を伸ばす。
‐モゥモゥ~‐
寝ている少女へ、少し声を掛けてみるが返事は無い。
‐モゥ…、ジワッ‐
泪目になって泣きそうになった次の瞬間である…。
『アレス』
瞬く間に体の傷は癒え、疲労も一気に吹き飛ぶ。
‐モォモォ~♪‐
両手を大きく振り、感謝の気持ちを精一杯相手に伝えようとする。
「…。下僕、そんなに放置されてたのか。」
その言葉を聴いた瞬間、一気に泪目に戻る。
‐モー!!‐
2.5頭身の物体は、黒い司祭のローブを纏った青年の足へ抱きつく。
「わっ、鼻水付くだろ!!。あ~…、もう…。」
腰にも満たないその頭を、少し屈みながら青年はモーモーを撫でた。
「帰るぞ、馬鹿は放置して。」
‐モゥ?、モーモー。ぽってぽってぽってぽって‐
歩きながら、首都アクロポリスシティへ可愛い足音と共に帰宅していった。

さらに数時間後…。
‐パンッ‐
綺麗な鼻ちょうちんが割れると当たりは一面夜の風景となっていた。
「あれ、私何してたんだっけ?。」
首を傾げながら、そっと周りを見渡す。
「あれれ、モーちゃんは?。」
数分辺りを探すが一向に見当たらない。
‐ぐぅ~。‐
「うーん…。おなか減ったし帰ろう。」
お腹の音もなり、すぐに断念してしまった…。

『飛空庭』
「モォモォ~♪」
行儀よく、フォークとスプーンを持って、首輪に前掛けを挟んで下僕は夕飯を待つ。
「何で、俺が飯をつくらにゃいかんのだ。」
不貞腐れながら、明らかにファーマーではない者が料理を作っていた。
「ん、俺より料理できるだろ。別に良いぞ自分で作ったものは自分で食えるしな。」
ドミニオンのユエは、明らかに味音痴を開き直り、胡坐を掻いてコタツに座っていた。
「でだ、何で三名ほど追加されているんだ?。」
三名ほど、どこからともなく席に座り込んでいる。
「良いじゃないですか。夕飯はうちで作らないのが主義なのですよ。」
「出来ないの間違えじゃないか?。」
「ギクッ。」
あからさまな図星。三人が住んでいる飛空庭は大雑把に物が積んであるような飛空庭で…。
「この前行ったが、とても人が…。」
「あら、まぁ、ユエさん右肩にハエが。」
斧を持った少女、殺気を出しながらユエに笑顔で話しかけた。
「ナンデモナイデス、ハイ。」
「あら、お気に為さらなくてよろしくてよ。」
「モォモォ~♪」
お気楽な下僕は、まだかと言わんばかりに夕飯を待っている。
「ソコの牛を煮込んで良いか。というより、煮込ませろ。」
「良いよ。」
「モ、モォ~!!(ガクブル)」
目をまんまくるさせながら、泣きそうな目で訴える。
「まぁいい。」
‐ガチャッ‐
ただいまと言う声と共にサイザーが帰って来た。
「おにぃちゃん、モーちゃんしらな…、って家に居る!!。なんで?。」
「死にそうになってたから、持って帰って来た。」
「モゥモゥ~♪」
うれしそうに、下僕は声をあげる。
「まぁ、俺が育てるよ、不甲斐ない妹の変わりに。」
「な、私はお兄ちゃんより!!。」
「より?。」
「…。なんでもないです。」
少女は、顔を真っ赤にして指を弄る仕草をする。
「下僕、てめぇの主は俺だ。」
「モォモォ~♪(ペコリ)」
「言葉が理解できるようになったか、上出来だ。」
片手を勢いよく振り上げた瞬間だった。
‐ヒュンッ、カツン‐
持っていたフォークを勢いよく飛ばし、天井に突き刺した。
「げーぼーくー!!。」
「モォー!!」
潤んだ瞳で、憤怒して追ってくるユエから逃げて庭に逃げる下僕であった…。






ユエはパーティ全体の状況を見つつ、回復させて行く。
「デカ物がかなり邪魔だ!!。」
ユエは、高ダメージを受けるシキ達へ怒鳴りつけた。
「僕に、そんなことっ!!。言われてもねっ!!。」
一気に槍に気を込める。
「【チャージストライク】!!」
ライオウを吹き飛ばしながら、グッと一撃を突き入れる。
「後少しっ!!、うぉおおおおお!!」
連続バニッシングブロウを叩き込む。
‐グェエエエエエエエッ、ズーン…‐
魔獣の断末魔が聞こえ、重い図体は前へ倒れこんだ。
「うっしゃ、倒したー。」
全員起き上がり、一箇所に固まる。
「ふぅ…。一段落付いたな…。」
「…でも…、…死体…消えないね…」
「レイさんの事だから二段落目があったりして。」
ツキノハに突っ込みを入れようとした時だった。
一つの光の球がライオウへ入っていった。
『クックックックッ…。懐カシイ魂ノ匂イガスルゾ。』
「光は身を癒し、増幅される内なる力を引き出すであろう。【ホーリーフェザー】!!」
ユエは即効でホーリーフェザーをパーティ全体へ掛ける。
ライオウの体は修復され立ち上がる。
『我等、獣ヲ統ベル四方ノ王ヲ封印シタ、24ノ戦士ノ匂イ…。忌マワシイ…。』
【サンダートラック】により、周囲に近づけさせない。
『貴様カ、ソノ忌ワシイ匂イヲ出スノハ!!』
魔獣の爪がユキノハを吹き飛ばし、壁へ叩き付ける。
‐ドンッ、クハッ!!‐
気を失い、その場でぐったりする。
「ユキノハさん!!、貴様ぁ!!。【ライトニングスピア】!!」
激情したシキは、渾身を振り絞りライオウを突く。
『小賢シイハ!!。』
ライオウのサンダーブラストがシキへ直撃する。
‐ぅ…、そん…な…‐
「シキッ!!」
『フン、小僧ガ何匹束ニナロウト。我ニ勝テヌハ!』
レイアスは帽子を深く押さえる。
「そう言えば爺が言ってたな…。二十四戦士の話を…。」
一歩、また一歩ライオウへ歩み寄る。それを見ながらライオウは動きを止めた。
「親父や母さんは、その一人だと聞いていた…。だがやっぱ信じていない自分も居る。」
『フッ、ココニ居イルノハ貴様ヲ含メ8名ダ…。一番、貴様ノヲ嗅グト血ガタギルワ…。』
レイアスは全身の魔力を沸騰させる。
「そうか…、なら俺も一緒だ。」
『貴様ラ双子ヲ切リ裂カネバ、我ノ気ガ済マヌハ!!。』
「黄昏、我まみえるは蠢動たる生命、エナジーグローブ。」
一気に敵の懐に飛び込み、一撃をお見舞いする。
「大地の胎動よ、紅蓮の業火を纏い、鉄槌を!!。【アースブラスト】!!」
大地より吹き上がるマグマが、ライオウに襲い掛かる。
『マダダ!!、我ヲ退ケヨウナゾ無駄ダ!!』
「…はぁっ…、…居合い一段…、二段…三段…。」
ミスティローズの連続攻撃は、右翼の付け根を連続で狙い斬り落とした。
‐ガァッ!!、ピギャー!!‐
断末魔を上げつつ、サンダートラックを放つとミスティの頬を掠めた。
「まだだ!!、うぉおおおおお!!。『バニッシングブロウ!!。』」
サイザーとクロスによるコンビネーションにより左翼が斬りおとされる。
「さぁ、観念してもらおうか…。」
【エンシェントワンド】へ魔力を集中させる。
『貴様ラァアアアアアアア!!。』
「月下の我が牙よ。我、最大なる秘術は冷厳なる一撃、祖は汝の剣と化すだろう。」
エンシェントワンドの先端より巨大な剣を形成する。
「落ちろぉお!!、ダンシングソード、マキシマァアアアム!!」
一閃、横一文字に薙ぎ払い、ライオウを倒す。
『グァアア、貴様ラヲ…、必ズシヤ…、我ガ同志ガッ…。』
‐グァアアアアアアアアアアア!!‐
断末魔と共に、ライオウの肉体は消滅して行った…。




【北アクロニア平原】

レイアスは、少し深刻そうな顔をしながら平原で寝転がっていた。
「どうしたんですか?。」
いつものように楽しいことを探しているツキノハが、目の前にひょこっと顔を出す。
「…、ツキノハ…。ちょっと訳あってな、ノーザン軍新設第二特殊部隊隊長を任される事になった。」
「ふむふむ、で悩んでおらっしゃると…。」
「…ツキノハ…。一緒に…来ないか…?。」
「ぇっ、ええええええ!!?。無理ですよ!、軍なんて解りませんし。
尚のこと人と戦うのはイヤです!!。」
「うん…、言われるとは思っていたよ。だから深刻な顔をしてたんだ。」
スッと起き上がり、晴れた顔で吹っ切れたかのように…。
「うん…、辞退し…。」
「でもっ!!。」
ツキノハの大きな声でレイアスは話を止める。
「でも…、どうしてもって言うのであれば…。私、レイさんについて行きます!!。」
レイアスは、照れくさそうに帽子で顔を隠した。
「ツキノハ…。ぁ~…、そう、ついでに言うと俺自身は軍がどういう状況か見たいだけに近いし…。
モンスター討伐やアイテム運搬しかしないつもりだ…。」
「レイさん…。はいっ!!。」
満面の笑みを返され、尚の事レイアスは照れくさくなった。
だが…。彼の側にいるのは素晴らしく神々しい、幸運の女神であることは間違えないであろう…。



第一章…完結。





タイタニア族ソーサラーである俺は、ノーザンダンジョン内のどこかでフラッと立ち往生していた。
「さて、どうしたものかな…?。」
眼鏡を掛け直し、まわりを見回す。
「はぁ…、こう悪運に変に纏わり憑かれると開き直るしかなくなるな…。」
頭を片手で押さえて少し落ち込む。
「だぁ!!。ツキノ嬢ちゃんはどこいったんだか!!。」
虚しく怒涛の声がダンジョン内に響き渡る。


…、周りを警戒しつつフワリフワリと私はダンジョン内を散歩する。
‐♪~…‐


小一時間前…。
「どっちが長く生き残れるか勝負ですっ。」
「ちょ、まった!!。」
私はダンジョンにつくなり、直に憑依を解除し先に進む。
「ぐっ、鬼が邪魔すんなっ!!。」
早速レイさんは戦闘を開始するが、私はお構い無しに先に進んだ…。


「レイさん死んで無いよな~。」
フレンドリストを見て現在所在地がノーザンダンジョンであることを確認する。
「何か倒しながら、あるこっと。」
‐♪~…‐


俺は直感でツキノハが進んでいる方向を進む。
「チッ…、どっちに進んでるやら…。」
しばらく進むと三又のワープポイントのある場所へ出た…。
「ツキ嬢の癖を考えて…。BOSSの居るこっちか…。」
そう考え、俺は光の中へ飛び込んだ…。


「我が守りの炎よ、わが道を守りたまえ【ファイヤーウォール】!!」
‐ボゥッ、ブワッ…‐
いくつおも火柱がその場に起き、【アルカナジャック】の身を焦がす。
「粉塵なる、紅蓮の鉄槌【ファイアボール】!!」
‐ボムッ!-
火球は敵の身に直撃し、敵を粉塵と化する。
「ふぅ…、結構しんどいなぁ。」
額に掻いた汗を袖で拭いながら、トボトボと奥へ奥へと進む。
「ん?、人が一杯ですねぇ。【アルカナキング】かな?」
大きなパーティー二つ分ほどの人でフロアを歩いている人たちが居た。
「どさくさ紛れに殴っちゃえ。」
‐ファーンッ!!‐
神秘的な召還音と共に巨大なアルカナキングと大量の【ガーズ】が現れる。
「あら、ガーズもいましたねぇ。」
巨大なPTはそのまま突っ込みBOSSばかりを叩く。
「うし、周りの方がおいしいかもしれませんね、我が守りの…。」
‐!。‐
詠唱中にガーズが気がつき、切りかかろうとした瞬間だった…。
「其の身、其の心、其の礎は我が意思に勝てぬがの如く、石化するであろう【マジックストーン】!」
‐ピキピキピキ…。‐
ガーズの姿は石化し、動けなくなる。
「今だ!」
「我、封絶なる激流は、其を絶つであろう【アクアブラスト】!!」
石化の状態になったガーズは土属性となり、対水への弱点を作る。
ノーザン地方の水攻撃力倍増効果により、ガーズのマジックディフェンスを遥かに凌駕する攻撃となった。
「ナイス。」
右手の親指を立てて、レイさんはサポートしてくれたのだと、私は気がついた。
その行動に少しムスッとする。
アルカナキングが倒れたのも束の間だった、ガーズ4体はに大PTは苦戦し、
ガーズ一体を残して、全滅をした…。
「!、レイさん!!。」
その、私が叫んだ直後だった…。
‐!。‐
ガーズがすばやく対象をレイさんに変えて攻撃を仕掛ける。
‐ガッ。‐
レイさんは、私の声ですばやく敵に反応はするが、頭部に一撃ガーズの刃が掠る。
‐ド、…?。‐
次に攻撃したのはデコイであった…。レイさんはこめかみから流血をしている。
「てめぇ…、散れよ。」
激情は、魔力を肥大化させ、右手に込める。
「【エナジーショック】!!」
‐ドンッ…‐
巨大な魔力球はガーズのコアに直撃し、浄化する…。
「レイさん、大丈夫?。」
「…。」


俺たちは平原に戻ってきていた…。
俺は頭に包帯を巻き、斜面となってる草原でふと考え事をしながら空を見上げる。
「…。」
「レイさん。」
ふと俺の横にツキノハが座った。
「やっぱり、なんだかんだで強さがあると思いますよ。」
「逆上や咄嗟であのスペルを使うのは、どうも好かん…。」
そっと、顔を見ないようにごろんと廻る。
「強いのは良い事だと思います。」
「俺は別に、強くありたいとは思ってないよ…。
腕が欲しいんだ、誰でも手に入る安易な力で誇るのではなく、俺が本心から良い腕であると
誇れるような人間にな…。」
おもむろに、膝を立てて立ち上がる。
「今は、すべての時点で、ツキ嬢に負けてるよ。」
ふと、キョトンとしているツキノハの顔に手をかざす…。
「ちと、難しいかな…?。」
顔を少し緩める。ツキノハは疑問を残すかのようにそっと首を傾げた。
「良いの良いの。」
その表情に、ニコッと返し、不意におでこにキスをする。
「!。」
顔を真っ赤にして硬直する。俺はそれを見ながら、また草原に身を委ねた…。





一人ドミニオン族ブレイドマスターの男がゆっくりと街の中を歩きながら左右を見渡す。
‐ザワザワ…‐
行きかう人でごった返す、サウス連邦の上層部東でこの前の戦闘で折れそうになっている剣の
新品を買いに来ていた。
「武器屋は下層部だったな…。」
人がごった返しているのが嫌なのか、少し苛立ちを隠せないで居た。
「あれ?、オガさん。」
ふと知ってる女の子のマーチャントが声を掛けてきた。
「調度いいところに居るな、ちと買い物手伝え。」
顔を一瞬青くし、二歩、三歩と後ずさる。
「何だ、そのあからさまに嫌っぽい態度は。」
「ぃやですっ!。」
「ぉお、ちょっとまて。」
「どうせ、変○な装備を買わされるんだ!!。私は来ませんよっ!。」
あちゃーという態度を取りながら、オーガは頭を押さえた。
「あのな…。買ってほしいのは店売り装備だ…。」
「あ…。」
女の子は顔を真っ赤にして、モジモジし始めた。
「私【ビートダウン】Lv10じゃないですよ…。」
「それでもいいよ、ちょっとは安くなるんだろ?。」
ひらめいたかのように誰か助け棟が居ないか聞き始める。
「そうだっ!、レイさんは居ないんですかっ。」
「現在地、ノーザンダンジョンなのだが。」
‐カーッ‐
顔をトマトみたいに真っ赤にする。
「とりあえず、下層部に行きましょう…。」
顔を伏せながらもその真っ赤な顔を隠せない…。


‐ドンッ…‐
カウンターに手を叩き乗せて、武器屋の親父に値引きを申し立てる。
「この商品もうちょっと安くならないんですかっ!!。」
あからさまで尚且つ余りうまいとは言い切れない値引き方法で、値引かせようとする。
「嬢ちゃん、これ以上はどうしても安くならないよ。」
「うぅ…。」
結局ビートダウン8の上限である1.6割引で手を打った…。


「すいません…。」
タイタニア族エレメンタラーの少女は今にも泣き出しそうな顔で、街の隅っこに移動し膝を抱え座り込む…。
「おいおい…、最初に言ったが、少しでも安くなれば良いって…。」
「でも…、Lv10だと2割引きなんですよ…。」
「いや、俺はいつも店売り金額直で買うから…。」
「うぅ…、ぅわーーーん。」
遂に泣き出し、サウスダンジョンへ駆け込んでいった。
「ちょ、そっちはダンジョンだ!!。」
オーガの声は届かず、奥に進んでいく…。
「あの馬鹿っ…!!。」


暗闇のダンジョンの奥地で膝を抱えながら少女は泣きじゃくる。
‐ひっく…、ひっく…。‐
「ぅう…、私なんて…。」


オーガは闇の中、ゆっくりと歩みネーノを探す…。
「おてんば娘が…、調子狂うぜ…。」
タイガーマスクをかぶり直し、アタックを仕掛けて来る敵を切り裂く。
「幽霊共は、大人しく墓にでも入ってな!!。」
しばらく進むと大勢の敵に追われ逃げ惑う少女が居た
「ぅわん。」
大量の敵に追われ逃げ惑っていたので、殴り掛かりそうな敵に【挑発】を掛け一体ずつ引き剥がす。
「ぉらよ!!。」
黒衣を引き裂き、【スペルキャスター】は粉塵と化す。
どさくさ紛れに、ブリキングキャノンがオーガに攻撃を仕掛けて来る。
オーガはそれを引きつけつつ大量の敵の中心に行き、旋風剣で一掃した。
「ぉおおおおおお!!。」
最後の敵【ブロックス】一体になり、ソードディレイキャンセルを発動させ一気に切り裂いた。
「ぅう…。…、ごめんなさぃ…。」
泣きじゃくりながらオーガへ謝る…。
「とりあえず戻るぞ…。」
‐パキンッ‐
オーガの手にあった剣が、戦闘を終えたと同時に刃が折れる。
「まぁ、こいつも折れたことだしな。」
光の射し込む方向へ歩いていった…。

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